厚生年金基金と厚生年金って何が違うの?



赤字では困る年金

 

 

そもそも公的年金というのは、各人の加入月数、生年月日によって損得が決定してしまうことが多い制度です。

 

その典型が「厚生年金44年(528月)加入特例」です。これは特例となっているのですが、44年間年金に加入することで、報酬比例部分と定額部分(基礎年金)の受給があるという制度です。厚生年金に44年間以上加入していたというのが利用するための条件となります。

 

しかし、そんなに長期間加入している人は多くありません。言ってみれば現実的ではないというコトです。「特別支給の老齢厚生年金」については、会社員が加入している厚生年金からのにおいて、「60歳代前半(60歳から64歳の間)にだけ支給される老齢厚生年金」のことです。法律上では、65歳以降に支給されるというのが本来の老齢厚生年金ですが、60歳前半に支給される「特別支給の老齢厚生年金」は暫定支給されているものとなっており、そのうち存在が消えてしまうでしょう。

 

タイムサービスのような老齢厚生年金だと考えてください。61年4月の「新法」では、昭和61年時点から支給タイミングが65歳へと遅らされ、老後の生活設計にはかなり大きな影響を与えることになりました。とにかく老後の家計が赤字というのは困った問題になります。結局は節約しなければなりませんが、自由な時間はむしろ増えてしまうので、それをいつも節約して暮らすのでは、とても幸福な老後だとは言えないでしょう。

 

30~40代の人でも老後資金の貯め方について、いろいろ工夫をしなければならないわけです。そこで注目されるのが私的年金である厚生年金基金ということになります。